2011/01/07

マニア

ひとはなぜすきなもの、があるのでしょう
どうしてのめりこむのでしょう
時間をかけて追求するのでしょう




わたしは長い事おなじ街に住んでいますが、
わたしのうまれるずっと以前から在りつづけているお店が沢山あります。
(しかし、近年、急速に減りつつもあります)
そういった店、はなんだかすごい雰囲気がしみだしていて、店前を通るだけで
ぬぬ、となにか変なものを感じるものです。

小さい頃は縁もないし用事もなかったそのような店達は、今になってみると、
とても専門的なお店が多いもので、
それはおとなとなった私の生活に、新鮮さ、驚きを与えてくれるようになりました。


例えば刃物屋「菊一」は、
両親が服飾をやっていた時期に
生地を裁断する為の鋏の研ぎでいつもお世話になっていたようで、
今はときどき私の木版用の彫刻刀の研ぎをお願いしています。
しぶーいその店の中には刃物のキリリとした光り、
小上がりにはいつも刃物を研ぐ職人親子がみえます。ああかっこいい。


和紙屋の社頭(シャトウ)
ちょっと怖いおばちゃまがいますが、和紙への愛情が相当ディープです。
ちらっと寄ると怖い接客をみてしまいますが、よくよく話をすると、こころから和紙をあいしてるんだ、つうこころに触れられて、ほんわかあたたかい気分になるもんでおます。おまけとかしてくれちゃう。凧揚げの凧職人の話、楮、雁皮、三椏、昔は火事が多く大切な文書は井戸に投げたという話、いつまでも使える和紙、岩野平三郎の紙、彼女の顔のパーツは徐々にL、O、V、Eの文字で形成されてゆきます

O      E
    L
  
    V

和紙!



触るとどきどきする岩野さんの手漉き紙が棚に重なっています(人間国宝)
私も和紙ラブです。ほんとうにすばらしい。


それから下着屋 TOM
ここびっくり。下着も自分でえらぶようになった今、商店街では広めの店内にはいつもおじさん(オーナーさん)がいて、わたしの乙女心は毎回わずかに震え上がり、その振動で顔筋が硬直気味だったのですが、はじめてなんだか気分がのって、おじさんの接客にのってみると、
おじさんはイタリア、フランス、スイスなどに買い付けに出向き、イタリアではプラダの受注を受けているのと同じ工場でオリジナルランジェリーを作っていて、しかもプラダよりその工場とは付き合いが長いとの事。こだわりのあるランジェリーショップの証として、
これを受けたのは日本でただ1店だけという5つ星の賞状(イタリアのランジェリー協会から)がさりげなーく壁にかけてありました。
イタリア語は55歳から習い始めたそうです。今一体おいくつなのか、、おそろしく若い
そして、もう51年もやっているといってた、、  私にはおじさんは50代に見えました。でも10代でやってたはずないしねえ。若い頃はkanebouと一緒にランジェリーデザインをしていたそう。

やはり女性へのエロ心が彼を若く保つのでしょうか、しかしそれは全く感じませんでした。
点描画を描くのが昔から好きだというおじさん(おじいちゃん??)のうつくしいレースのような絵。
きっと彼もまた、本当にあのうつくしい、レースの世界にはまったマニアなのでしょう。


すきを続けるということ、はまるってこと、追求するってこと、
しかもその対象はそれぞれです。つづけてつづいてる人は目がうつくしい。
にごりがない、
そんなひとの話はよりいっそう世界をおもしろくしてくれる。

私はどれかな、やっぱし絵だな。とても孤独で、とても愛にあふれている。
絵や、ありがとうや
植物と浮気してますが、それも絵のため
絵はいつもわたしのなかにいる
ゲラゲラ
良い話はできそうにないですが





うんうん、2011、良い幕開けです。



長くなりました。