2009/12/07

フクロウの大群




あなたのこれからの仕事は、悪役女優に移動になりました。顔つきが悪役向きだからです。
と上司に言い渡され、広大な大理石の空間に案内されました。
私は、そんな、といいました。そんな、私は植物の仕事を続けたいのです、と。
しかしこれは決定です、見てご覧なさい、他の女の子たちを、彼女らの頬を。
肌は白く輝いて頬はバラ色、あなたは悪役女優の系統です。
そんな、といって私は逃げ出しました。
車に乗りこむと、苦手な雰囲気の人が隣の席に座っていて、それ以外に後ろの席に4人、女の人が居ました。
隣の人は後部座席の女の人にそれぞれ素敵なドレスやワンピースを配りました。

私は外の景色を見ているうちに、メンフクロウの大群を見つけました。彼らは高いひよどりみたいな声をそれぞれあげながら、
物凄い勢いで、羽を四方八方飛び散らせながら、薄茶色のかたまりとなって飛んでいるのでした。
そのかたまりは、あっちへ行き、こっちへ来、しながら上下左右にぐらぐら飛び続けています。
気がつくと私の車はフクロウの横を飛んでいて、私はなぜだか悲しくって仕方が無かったです。